「それからね、これはその不思議に入れていいか判らないのだけど
歳をとってから描かれたその御后様の肖像画がね、うちのお祖母ちゃまにそっくりで・・・
私、お祖父ちゃまに 『お前はお母さんよりも祖母さんに似てる』 っていつも言われてたから
なんだかとっても不思議だったの。」
 
 
「そう。チェギョンは御祖母様に似ているのだね?」
 
 
「うーーん、よくわからなけど、そうみたい。
あ!それとね、私 楽器を弾けるようになったって言ったでしょ?
それってね、この時代には無いものだと思うんだけど
その御后様も “銀の笛” と、 “弓で弾く琴(きん)” が得意で
いつも不思議な音楽を弾いたり、おかしなものを作ったりする変わった人で
時々巫女のように未来(さき)読みをしていたのだって。」
 
 
「ほぅ・・・・・。それで、チェギョンはそれを知って、どう思ったのです?」
 
 
「私がもし、この時代にいたらきっと変わった人って思われるんだろうなぁって。
だって、銀の笛はフルートのようだし、弓で弾く琴ってバイオリンっぽいもの。
私はお裁縫とかお料理とかが好きだけれど、それはいつもオッパが驚いていたから
きっと、この時代ではおかしな物なんだろうと思うの。
オッパの事を知りたくてこの時代のお勉強を一杯したから、
私が知ってることは、予言のように思われるのかもしれないし。
でも、そんなのオカシイよね?だって五百年も昔の話なのにって思ってた。」
 
 
「けれど、あなたはこうしてここにいるではないの?」
 
 
「それも・・・・。やっぱりまだ信じられないんだよぉ~///
本当に私、死んじゃったんじゃないのかなぁ?
だって、オッパ達がいるんだもん。昔の人達と一緒にいてそれっておかしくない?」
 
 
「昔のひとって・・・・・。本人を前にして随分酷い言い様だね。
チェギョン。1つ聞きたいのだけど、あなたにとって私は昔の人なの?」
 
 
「・・・・・わからない。でも、だ・・・・・・///」
 
 
「だ?」
 
 
「うぅぅ~~~~っ。内緒っ!!!///」
 
 
「ふぅん?だ・・・・だ、ねぇ?だ・・・・・、大事?」
 
 
「それも、ある。」
 
 
「ほぉ、それ “ も ”?」
 
 
「うん。も。」
 
 
「ねぇ、チェギョン。」
 
 
「ん?」
 
 
「私はチェギョンのことが “ だ ” ~~いすき
なのだけれど、チェギョンは違うのだろうか?」
 
 
「え゛ッ???///」
 
 
「ん?」
 
 
「・・・・・・わ・・わたしは・・・・だ・・・・だいすき・・・ですっ///」
 
 
「クスクス。本当にあなたというひとは、可愛いひとだね。
ちゃんと聞こえましたよ?照屋さんのお姫様。
そういうところも、私はとーっても好きだけれどもね
もう少し大きなお声で言ってくれると、もっと好きになると思うよ?」
 
 
「そ、そうなの?」
 
 
「ええ。そうですよ?あなたは私に好きだと言われて嬉しくは無い?」
 
 
「う・・・れしい・・・デス・・・///」
 
 
「でしょう?さぁ、お顔を見せて、もう一度・・・・・ね?」
 
 
「・・・・だ・・・・大好きっ、・・・・デスぅぅ~///」
 
 
「ありがとう。ほら、私もとっても嬉しいよ。
けれどね、それは他の人には言ってはだめですからね。」
 
 
「へ?」
 
 
「チェギョンの大好きは、私だけのもの。良いね?」
 
 
「は、はい・・・?」
 
 
「ん?」
 
 
「は、はいっ!」
 
 
「そう、良い子だ。ところで、その大好きはどういう意味かな?」
 
 
「へ?」