「お前に母上のような苦労はかけない。全力でお前を守る。それはお前の為というより、俺の為だ。だからお前は気に病むな。いいな?」 「は・・・い・・・。グスッ」 「よし。でな、俺はずっと僕の仮面を被って生きていたろう?だから王族の娘たちもその親たちも、俺の事を ...
カテゴリ: ◆ 宮・パラレル ◆
天使の住まう宮(みや) 67-1
――― 時は僅かに遡る。 シンとチェギョンは、人払いした休憩用の部屋にいた。 シンに抱き寄せられて、その腕の中にスッポリと収まったチェギョンの指はシンの人差し指と絡んで、ゆっくり互いの指の周囲をクルクルと回っている。 2人は暫し無言で、そうやって自 ...
天使の住まう宮(みや) 66
居合わせた者達の無事を確認してホッと安堵の表情を浮かべた皇太子妃は視界の隅に、イギサとこの会場のSPらしき者達に拘束された男達を見つけて彼らにも同様に怪我は無かったか? と優しく声をかけた。 反対に彼女の傍らに立った皇太子の視線は怒りで燃え盛り、射抜くよう ...
天使の住まう宮(みや) 65
トリックが成功するかしないかは、準備がどれだけ緻密に出来たかに因る。 それを良く知っている奇術師は嬉しそうに微笑んで黒猫にそっとキスをした。 くすぐったそうに耳をピクピクと動かした猫は、お返し、とばかりに 小さなザラッとした舌で、ペロリと彼の頬を舐める。 ...
天使の住まう宮(みや) 64-2
「この絵も含めて、どんなに素晴らしい絵画も 掛けるべき壁を間違えば、全く以ってつまらない駄作に見えてしまうでしょう。 その絵に見合った壁を見つけて、そこに掛けてやるのは鑑賞する側のマナーであり 画家に対する敬意と言い換えてもいいかもしれない。 なら、マナーと ...
チェ尚宮さんとアレのお話
新行から戻られたお2人のご様子から、もしや・・・と思っていたのは的中したらしく 定時になってもお目覚めになられないご様子に、どうしたものかと逡巡していると コン侍従長様がいらっしゃって、今朝の挨拶は免除になったと伝えられ 同時に殿下より終日の人払いが為された ...
天使の住まう宮(みや) 64-1
基本的に天真爛漫で物怖じをしないチェギョンだったが それは 自分が シン・チェギョンとしてのみ評価される時であって 皇太子妃として我が身を思えば、宮の家族に迷惑をかけてはならないと意識してしまうし また、夫で皇太子でもあるイ・シンの妻としての立場を考えれば ...
ジフの趣味
「それにしても、驚いたな・・・」 「全くじゃ・・・。」 「で、話せたの?」 「流石にそれは無理じゃった。」 「一体どういう繋がりなんだろうな・・・」 「ふむ・・・。まさかこの国にまで枝葉が分かれていたとは・・・のぅ?」 今、巷で話題の皇 ...